夜景館スタッフ日誌 AB vs. B 忍者ブログ
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 うずたかく積み上げられた段ボールに囲まれて日々を過ごす香月@新居です。
 数年振りの引っ越しは、思った以上に大変でした。そんなバタバタの一コマから、こんなss(リーマンパラレル)↓





 部屋へ足を踏み入れると、そこには尋常じゃない数の雑多な物で溢れかえっていた。
 普段整理整頓されている部屋の何処にこれだけのアイテムがしまわれていたのか、首を傾げたくなる。それくらいの物の多さだ。

「あぁ悟浄、すいませんねぇ手伝いに駆り出して。今日業者が来るのに、まだ箱に入れきれてない物がこんなにあって」
「あー、お前さん、物を棄てられないタイプだもんね。取り敢えずこの変な柄のプリントシャツ、ヨレヨレだし棄てれば?」
「変とはなんですか変とは。そのくたびれ具合が極上の着心地を作ってるんですよ」
「わかったわかった。まあこの辺りはどんどん詰めておくから、お前はそっちやんな」


 ~間~


「ふぅ、まーそれにしても物の多いこと・・・ん?」

 ふと目に付いたのは、チェストの上に置かれたプラスチックの何か。
 イヤーカフのような端の切れたリング状だったり、画鋲のような円盤に突起の付いたものだったり、それが5・6個ばかり、無造作に置かれている。
 何処かで見たような気はするが、どう考えても保管しておくような重要なものではないだろうし、それなら剥き出しでこんな場所に置いている筈もない。
 そう考え、プラゴミの袋へと放り投げた。


 ~間~


「すみませんねぇゴミ捨てまでさせて」
「おぅ気にすんな。大分片付いてきたな」
「本当は極力隙間の空かないように上手く物を詰めていくのが荷造りの醍醐味なんですが、これだけ時間が無いと、そうも言ってられませんからね」
「まー昨日の夜までみっちり仕事漬けだったからな、それにしても三蔵サマも、人使いの荒いこったぜ」
「引き継ぎに時間が掛かりましたし、あちらも忙しかったですから、仕方ありませんよ。
 さて、あとはこれを・・・」

 そう言って、固めて置いていた消臭スプレーやハンドソープなどの洗面所アイテムを手に取った。
 衛生面に煩い奴さんは、引っ越しの片付けの合間も物に付いた埃や手垢を掃除し、その都度ハンドソープで手を洗うので、ギリギリまで荷物に入れたくなかったようだ。
 ――と、

「・・・・・・?あれ、悟浄、このチェストの上に置いていたプラスチックの部品、知りませんか?」
「へ?」
「『へ?』じゃありませんよ。白っぽいプラスチックで、こういうポンプの首に嵌めてロックするための部品です・・・おかしいな、ここに固めて置いていたのに・・・」
「・・・・・・・・・あ」

 アレだ、リング状や画鋲型のプラスチック部品。
 思い出した、見たことあると思ったら、整髪料のトリガー状のノズルや、ポンプタイプのハンドソープの首のところに、新品の時に付いている、ストッパーの役目をする部品だ。

「ワリ、ゴミだと思って、捨てちまった・・・」
「何ですってっっ!?」

 いやその瞬間の奴さんの顔といったら、普段の柔和な表情が消えて般若そのものよ。 

「や、悪かった!悪かったけど、あんなに無造作に置いているもんだからさ、どう見ても必要な物には見えなかったワケで・・・マジごめんって!」
「・・・・・・判りました。もう時間もありませんし、不毛な言い争いをしても始まりませんしね」

 助かった・・・!


 ~間~


 まあその後は程なくして引っ越し業者が来たので、修羅場を迎えることもなく(色々な意味で)無事引っ越しは完了した。
 ちなみに、遠方ということで引っ越しには丸一日掛かるので、今日は奴さんは俺ん家に泊まりだ。その辺りも、言い争いを回避する理由にはなったのだろう。
 そして翌日。
 始発で出発しなければならない八戒は、俺が起きた時には既に家を出ていた。
 何のかんの言って付き合いの長い間柄だ、暫く会えないとなるとちょっぴり寂しさもある。
 哀愁を感じながら、洗面台の前に立った俺は、整髪料を手に取った。

 ・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・使えない。
 トリガー状のノズルを何度引いても、びくともしない。
 よく見ると、トリガー部分に、見覚えのあるプラスチックの部品。
 ちょっと待て、これ新品じゃなく半月以上使っている奴だぞ?
 訝しがりながら部品を取ろうとしたが――取れない。
 瞬間接着剤か何かで、しっかりくっ付けられている。


 や ら れ た・・・!!


 周囲を見れば、シェービングソープやハンドソープ、制汗スプレーに至るまで、全てのポンプ・スプレーの薬剤が全てロック用部品+接着剤で固定されている。
 奴め、俺が寝ている間にこれだけの物を細工したってのか・・・!
 奴さんの執念深さを甘く見ていた自分をぶん殴りたい気分だった。
 当の本人は、1年は帰ってこない。
 1年間で怒りを鎮めてくれる程甘い相手ではないのは、火を見るより明らかで、
 帰ってきた時に『お帰り』より先に『ごめんなさい』を言わなければいけないだろう事実に、頭が痛くなる俺だった。


 


 どっとはらい。


 


 あ、一応こちらの続編的な。
 いえね、香月、何かっちゃ引っ越しを伴う転勤をするので、ポンプやスプレーのロック部品は全て取っておいてあるんです。
 で、いざ使おうとチェストの上に出しておいたものをふと見ると、何処にもない。
 ↑ではその場で判明しているんですが、香月の場合判明したのが引っ越し後でして(爆)。
 母親との電話の中で、その時荷造りの手伝いをしていた母(B型)が棄てていたという。
 というわけで、表題は2人の血液型でした。丁度ぴったり(笑)。

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