20070812開設
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ゼロサムにて御大が描かれている『最遊記 12seasons』、現在発売中の8月号は、御大ブログにも一部載っておりますが、水鉄砲で仲良く?遊ぶ→次第にヒートアップの三蔵一行という、メンタル面は暑苦しいですがぱっと見はとっても涼しげな一枚。どう見ても八戒さんが悟浄を盾にしているとしか思えないのは香月だけではないでしょう(苦笑)。
それにしても、水遊びをするのに三蔵様も悟浄も煙草を咥えたままというのは、お宅らどんだけニコチン依存なんだ、というお声をちらほら聞きますが、そこを生かしてこんな↓のは如何でしょうか(旅の途中)。
「いいですか。三蔵と悟空、僕と悟浄の2対2のチーム戦、相手方の大将が咥える煙草の火を水鉄砲で消した方が、本日のベッドの選択権を取得出来ます」
ツアーの添乗員よろしく、人差し指をピンと立てた八戒が3人に説明する。
一行がこの町に着いたのは丁度昼食時。
この町を抜けると暫くは砂漠や荒野、小さな村しかないということで、物資の補給や休息のため、早い時間ではあるがこの町での逗留を決定した。
食料や嗜好品の補充も充分に行え、何ら不満のあろう筈もないと思われたが、たった一つ、
エアコンの風向きを変えるギアが、壊れていた。
元々大部屋で冷房効率が悪く、風の当たる場所は快適だが、それ以外は殆ど空調が効いていないに等しい状態で、
熱帯夜が予想される今夜、安眠を満喫するか寝苦しい時間を過ごすか、
全てはどのベッドを占領するかに掛かっていた。
こんな時いつもならカードなどで勝負するのだが、チェックインの直後に洗濯のため宿の裏庭に廻った八戒と悟空が見つけたのは、ベンチに置かれた5つの水鉄砲。
恐らくは宿の主の子供とその友人達が、昼食前まで遊んでいたのだろうそれを見た八戒の目がキラリと光ったのを見た悟空が『・・・ヤな予感がする』と思ったが口には出来ず、
かくして昼下がりの宿の裏庭、洗濯機が回る音をバックに、呼び出した三蔵・悟浄ににこやかな笑みと共に八戒が告げたのが、冒頭の台詞だった。
「でもよー、水鉄砲っつったら、普段銃を使う三蔵サマが有利になんねぇ?」
「それを言うなら、ゴキブリ並みの反射神経を持ってる貴様こそ有利じゃねぇのか」
「誰がゴキブリだっての!」
「まあ、双方の言い分は一理ありますね。でも悟空の運動神経も、そちらのチームに有利な条件と言えますし。
なら、悟浄は水鉄砲を2つ持ってはどうでしょう?」
「えー、そんなのズリィ!」
「そうでもありませんよ。悟空が素早く動いて悟浄の煙草を狙えば、悟浄は自分の煙草をガードせざるを得ません。
2人で集中的に大将を狙うか、水を温存して相手の水鉄砲が空になるのを待つか、その見極めも重要になりますよ」
「馬鹿馬鹿しい。とっとと始めてとっとと終わらせるぞ」
「それでは制限時間無し、どちらかの大将の煙草が消されるか、水切れで戦闘不能になるまでの勝負――始め!」
合図と共に、かんかん照りの太陽の下、盛大に水飛沫が上がった。
「くっそー!テメェ等、集中攻撃なんざ卑怯だぜ!」
「二丁構えの奴に言われたかねぇな」
「それっ!あっ!もうちょい!あーもう悟浄動くなよ!」
「動かねぇと消されるだろーがっ!つーかお前も向こうの大将狙えよ八戒!」
「はいはい、無駄に喋って煙草落とさないで下さいねー♪」
「・・・(もしかして俺、孤立無援?)」
大将を守るどころか、大将を盾にしているとしか思えない副官に、水鉄砲より先に自分の涙で火が消えるかも、と悟浄が思ったその時、
バシャッ
ジュッ
「・・・な・・・・・・っ?」
「え、あ、三蔵っ!?」
「勝負つきましたね♪」
ほぼ真上から落ちてきた水の固まりに、咥えた煙草を落とされた三蔵。
当然、その火は消え、濡れた芝生の上でゴミと成り果てている。
俄には状況が把握出来ず固まった3人の見守る中、悠然とした足取りで歩を進め、その吸い殻を長い指で摘み上げたのは、してやったりという策士の笑みを浮かべる八戒。
「2人が悟浄を狙っている隙を見て、垂直よりほんの僅か斜め前方に向かって水鉄砲を発射したんです。
水は放物線を描いて、三蔵の煙草を直撃――真っ正面から狙うだけが攻撃ではないんですよ」
「よくやった八戒!これで涼しい寝床は俺達のモンだ!」
「・・・・・・チッ」
「えーもう終わり?第2ラウンドは?」
「ンなモンあるか!取り敢えずびしょ濡れのコレ着替えっぞ!」
「無断で拝借している水鉄砲ですから、水を入れ直して元の場所に置きましょうね。
服は水で濡れただけですから、絞って干しておいて下さい」
「「「・・・・・・(自分は殆ど濡れもせずイイとこ取りか!)」」」
結局、エアコンの風が最も良く当たるベッドを悟浄が、その次に快適なベッドを八戒が占領し、一晩が過ぎた。
エアコンの死角となるベッドを宛がわれながらも熟睡した悟空は流石といえる。
三蔵も、熟睡とまではいかなくとも、野宿に比べれば遥かにマシな環境だったので、最低限の睡眠は摂れたようだ。
八戒に至っては言わずもがなである。
そして悟浄は――・・・
「ぶふぇーっくしょい!」
「・・・親父臭ぇクシャミ・・・」
「あはははは、盛大ですねぇ」
「自業自得だ。放っとけ」
何とも情けないくしゃみが響き渡る。
一晩エアコンの冷風の直撃を受け、ばっちり風邪を引いてしまったのだ。
自分で選んだベッドでこうなったので、周囲の眼は当然冷たい。
「八戒・・・お前こうなるの判っててあのベッド俺に譲ったろ?」
「ヤですねぇ人聞きの悪い。僕はあくまでも副官の立場として、優先順位は大将にあると言っただけですよ?」
「人の所為にしてんの、ダッサー」
「自分の浅はかさを自覚出来ん奴は無様だな」
「畜生!・・・ハ、ハーックショイ!!」
どっとはらい。
こんな感じで。
悟浄一人が被害をこうむるのは当館のスタンダード、というよりむしろデフォルト(笑)。
垂直より僅かに角度を付けて発射した水を相手に当てる、という下りは『スパイラル』のボール当てゲームの場面を引用。いえ判らなくても問題ありませんが。
それにしても、水遊びをするのに三蔵様も悟浄も煙草を咥えたままというのは、お宅らどんだけニコチン依存なんだ、というお声をちらほら聞きますが、そこを生かしてこんな↓のは如何でしょうか(旅の途中)。
「いいですか。三蔵と悟空、僕と悟浄の2対2のチーム戦、相手方の大将が咥える煙草の火を水鉄砲で消した方が、本日のベッドの選択権を取得出来ます」
ツアーの添乗員よろしく、人差し指をピンと立てた八戒が3人に説明する。
一行がこの町に着いたのは丁度昼食時。
この町を抜けると暫くは砂漠や荒野、小さな村しかないということで、物資の補給や休息のため、早い時間ではあるがこの町での逗留を決定した。
食料や嗜好品の補充も充分に行え、何ら不満のあろう筈もないと思われたが、たった一つ、
エアコンの風向きを変えるギアが、壊れていた。
元々大部屋で冷房効率が悪く、風の当たる場所は快適だが、それ以外は殆ど空調が効いていないに等しい状態で、
熱帯夜が予想される今夜、安眠を満喫するか寝苦しい時間を過ごすか、
全てはどのベッドを占領するかに掛かっていた。
こんな時いつもならカードなどで勝負するのだが、チェックインの直後に洗濯のため宿の裏庭に廻った八戒と悟空が見つけたのは、ベンチに置かれた5つの水鉄砲。
恐らくは宿の主の子供とその友人達が、昼食前まで遊んでいたのだろうそれを見た八戒の目がキラリと光ったのを見た悟空が『・・・ヤな予感がする』と思ったが口には出来ず、
かくして昼下がりの宿の裏庭、洗濯機が回る音をバックに、呼び出した三蔵・悟浄ににこやかな笑みと共に八戒が告げたのが、冒頭の台詞だった。
「でもよー、水鉄砲っつったら、普段銃を使う三蔵サマが有利になんねぇ?」
「それを言うなら、ゴキブリ並みの反射神経を持ってる貴様こそ有利じゃねぇのか」
「誰がゴキブリだっての!」
「まあ、双方の言い分は一理ありますね。でも悟空の運動神経も、そちらのチームに有利な条件と言えますし。
なら、悟浄は水鉄砲を2つ持ってはどうでしょう?」
「えー、そんなのズリィ!」
「そうでもありませんよ。悟空が素早く動いて悟浄の煙草を狙えば、悟浄は自分の煙草をガードせざるを得ません。
2人で集中的に大将を狙うか、水を温存して相手の水鉄砲が空になるのを待つか、その見極めも重要になりますよ」
「馬鹿馬鹿しい。とっとと始めてとっとと終わらせるぞ」
「それでは制限時間無し、どちらかの大将の煙草が消されるか、水切れで戦闘不能になるまでの勝負――始め!」
合図と共に、かんかん照りの太陽の下、盛大に水飛沫が上がった。
「くっそー!テメェ等、集中攻撃なんざ卑怯だぜ!」
「二丁構えの奴に言われたかねぇな」
「それっ!あっ!もうちょい!あーもう悟浄動くなよ!」
「動かねぇと消されるだろーがっ!つーかお前も向こうの大将狙えよ八戒!」
「はいはい、無駄に喋って煙草落とさないで下さいねー♪」
「・・・(もしかして俺、孤立無援?)」
大将を守るどころか、大将を盾にしているとしか思えない副官に、水鉄砲より先に自分の涙で火が消えるかも、と悟浄が思ったその時、
バシャッ
ジュッ
「・・・な・・・・・・っ?」
「え、あ、三蔵っ!?」
「勝負つきましたね♪」
ほぼ真上から落ちてきた水の固まりに、咥えた煙草を落とされた三蔵。
当然、その火は消え、濡れた芝生の上でゴミと成り果てている。
俄には状況が把握出来ず固まった3人の見守る中、悠然とした足取りで歩を進め、その吸い殻を長い指で摘み上げたのは、してやったりという策士の笑みを浮かべる八戒。
「2人が悟浄を狙っている隙を見て、垂直よりほんの僅か斜め前方に向かって水鉄砲を発射したんです。
水は放物線を描いて、三蔵の煙草を直撃――真っ正面から狙うだけが攻撃ではないんですよ」
「よくやった八戒!これで涼しい寝床は俺達のモンだ!」
「・・・・・・チッ」
「えーもう終わり?第2ラウンドは?」
「ンなモンあるか!取り敢えずびしょ濡れのコレ着替えっぞ!」
「無断で拝借している水鉄砲ですから、水を入れ直して元の場所に置きましょうね。
服は水で濡れただけですから、絞って干しておいて下さい」
「「「・・・・・・(自分は殆ど濡れもせずイイとこ取りか!)」」」
結局、エアコンの風が最も良く当たるベッドを悟浄が、その次に快適なベッドを八戒が占領し、一晩が過ぎた。
エアコンの死角となるベッドを宛がわれながらも熟睡した悟空は流石といえる。
三蔵も、熟睡とまではいかなくとも、野宿に比べれば遥かにマシな環境だったので、最低限の睡眠は摂れたようだ。
八戒に至っては言わずもがなである。
そして悟浄は――・・・
「ぶふぇーっくしょい!」
「・・・親父臭ぇクシャミ・・・」
「あはははは、盛大ですねぇ」
「自業自得だ。放っとけ」
何とも情けないくしゃみが響き渡る。
一晩エアコンの冷風の直撃を受け、ばっちり風邪を引いてしまったのだ。
自分で選んだベッドでこうなったので、周囲の眼は当然冷たい。
「八戒・・・お前こうなるの判っててあのベッド俺に譲ったろ?」
「ヤですねぇ人聞きの悪い。僕はあくまでも副官の立場として、優先順位は大将にあると言っただけですよ?」
「人の所為にしてんの、ダッサー」
「自分の浅はかさを自覚出来ん奴は無様だな」
「畜生!・・・ハ、ハーックショイ!!」
どっとはらい。
こんな感じで。
悟浄一人が被害をこうむるのは当館のスタンダード、というよりむしろデフォルト(笑)。
垂直より僅かに角度を付けて発射した水を相手に当てる、という下りは『スパイラル』のボール当てゲームの場面を引用。いえ判らなくても問題ありませんが。
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