夜景館スタッフ日誌 本文じゃなくて幸い 忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 昨日発生した事件を元に、こんなss(パラレル、100題『ラッカー』設定)↓


 左程広くはない劇場を、幾人もの若者達がひっきりなしに行き来する。
 今日中に舞台装置を仕上げ、明日は本番と同じ状況での通し稽古だ。
 若者だけの演劇集団に与えられた予算も時間もたかが知れている、その過密スケジュールの中で少しでも良い作品を創り、世間に認められていけば、明るい未来が待っていると信じているからこそ頑張れるのだ。
 だから、

「くぉら悟浄!!テメェ図面を頭に叩き込めっつってんのがまだ解んねぇのか!?それとも叩き込む頭がねぇのかよ!」
「おまっ、それが弟に言う台詞かよ!」
「弟だろうが妹だろうが、作品潰すような奴に掛ける容赦はねぇ!
 とっとと降りて図面見直せ!」

 劇団の副団長兼プロデューサーの独角は、実の弟に対しても厳しい。
 というより、実の弟だからこそずけずけとものが言えるのだろうが、言われる側はたまったものではない。

「・・・つーか、頭悪ィのは兄貴譲りだっつーの」
「何か言ったか悟浄!?」
「いーえ何にも」

 そんなやり取りをしながら、図面を入れたパソコンを覗き込む。

「ついでにその図面、アイコンをデスクトップから移動させとけ。
 『2010』のフォルダだぞ」
「へーへー」

 図面を見て、自分の担当する位置を覚えなおして一旦画面を閉じる。
 言われた通りアイコンを移動させるためだ。
 パソコン自体はこの劇場の物なので、ファイルはUSBメモリに入れなければならない。
 Eドライブを表示させ、アイコンを切り取り&ペーストで移動させようとすると、

「・・・ん?」

【このフォルダには既に‘〇〇’ファイルが存在します。
 現在のファイル(詳細)に次の新しいファイルを上書きしますか?(詳細)】

 見たところ、既に存在するファイルは随分前の日付の物だ。
 悟浄は特に疑問を持たず、上書きを実行した――




 公演が終了し、本拠地としている貸しホールで資材の積み上げをしている悟浄に、独角が話し掛けた。

「おい悟浄、この間お前図面をパソコンで見た後、アイコンをメモリに移動させたよな?」
「そうだけど?」
「まさかと思うが、その時メモリにあったファイルに上書きとか、してねぇか・・・?」
「上書き・・・」

 思い返して、そういえば、と呟いた悟浄の言葉に、独角の顔から血の気が引いた。

「おまっ!何つー事を!!同じ演目でも会場が違うと舞台セットの組み方変えるだろうがっ!!
 次の公演の為の図面、テメェ上書きで消しちまいやがったな!!」
「俺?俺が悪いのかよ!?
 てか、同じファイル名だと古い方消してしまうのが普通っショ?
 何で別の名前とか、枝番振るとかしとかなかったんだよ!」

 この兄にしてこの弟。
 周囲の劇団員達は、『言い合ってる暇があれば早く図面引き直そうよ』と心の中で突っ込みながら、黙々と各自の作業を続けるのだった。


 どっとはらい。

 追記:ついに香月もやってしまいましたファイル紛失
 某パラレルの人物設定を細かーく書いたものだったのですが、なぜか何処にも見当たらない。
 一応館長が古いファイルを持っていたかも、と急遽連絡を取って検索してもらいました(迷惑)が、やはりヒットせず。
 ・・・・・・・・・orz
 まあ、根性で全部書き直しましたが。
 ファイル管理には細心の注意が必要だと痛感した出来事でした。


 拍手有難うございます!!

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Copyright © [ 夜景館スタッフ日誌 ] All rights reserved.
Special Template : シンプルなブログテンプレートなら - Design up blog
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]