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先日起きた出来事から、こんなss(桃源郷・旅の前)↓
不意に、目が覚めた。
視界は真っ暗と言っていいくらいの闇で、夜明けまでまだ遠いことが知れる。
ものの10秒程は、状況が理解出来ずにいたが、
「あー・・・そーいえば・・・」
少しずつ蘇る、昨夜の光景。
いつも通り賭場でそこそこ稼いで、ついでにいいオンナもゲットして、
一通り楽しんだ後、後腐れなく別れたのが、夜も更けきった頃。
その後酒の抜けきらない足で家まで帰ったところまでは辛うじて記憶があるが、その後についてはとんと憶えていない。
まあこうやって布団に入っているということは、自力でここまで辿り着いて潜り込んだのだろう。深層意識に刻まれた習慣ってやつだ。
状況が呑みこめると、身体から力が抜けると同時にボーコーの緊張も抜けたらしい。
にわかに催してきた尿意に、足早にトイレへ駆け込む。
水分を排出すると、失われた水分を求めて喉が渇くのは、自然な成り行きだ。
水を飲もうと台所へ立ち寄ると、窓からの月明かりで寝室より仄明るいのをいいことに、電気を点けないままシンクへと向かう。
食器棚を開けるのも面倒なので、水切りカゴにたまたま入っていたグラスを引っ張り出そうとした瞬間、
ガラン ドスッ
「!!?っ」
一瞬、頭が真っ白になった。
恐る恐る足元を見ると、床に真っ直ぐ突き刺さった肉切り包丁。
水切りカゴの中に置かれていたのが、俺がグラスを引っ張り出した拍子に飛び出し、落下したらしい。
あと数センチ、いや数ミリずれていれば、足の指の1・2本は逝ってたかも知れない。
「あーあ、よけちゃったんですね。残念」
「・・・八戒、さん?」
パチン、という音と共に部屋が明るくなり、
振り向けば、いつの間に起きていたのか、台所の入り口に立つ碧の瞳の同居人。
普段は『穏やか』『理知的』と評されるその眼に、禍々しい物が宿っているように俺には見えるんだが。
「貴方が博打で稼ごうが身ぐるみ剥がされようが、その後お姉さんと一夜を過ごそうが心中しようが、特に何も言いませんが。
酔いが回り過ぎて靴のまま家に上がることだけは、断じて許せません」
「・・・へ?」
言われて見渡せば、玄関から廊下を経て寝室まで、くっきりと足跡。
酔った俺は、靴を履いたまま室内を闊歩したらしい。
この家の主夫たらんとする奴さんは、そのことにいたくご立腹で、
ご立腹のあまりわざと包丁をグラスの傍に置いて、足切断トラップにしたってか?
「布団だけは死守すべく、ベッドに膝を突いた瞬間を狙って靴を引っぺがしましたが、床の汚れは、ご覧の通りです。
僕はもう一度休ませてもらいますが、起きて水分補給も出来たのなら、あなたはとっととこの床掃除して下さい。いいですね?」
「は、はひ・・・」
口元に笑みを浮かべながら、全く笑っていない眼で睨みつけられると、こちらは首を縦に振るしかない。
かくして、俺は夜明け前にも拘らず、雑巾とバケツを手に床掃除をするのだった。
どっとはらい。
おぉ、久し振りに頭に浮かんだものを形にすることが出来ました(喜)。
えー、何があったかといいますと、水きりトレイ(スペースがないのでカゴじゃない)に置いていた食器を取ろうとしたら、積み上げていた食器のバランスが崩れて、その拍子に包丁が床へ一直線(!)。
咄嗟に両足を広げ、後ろに飛びのいたので、被害はありませんでした。
まあそれやこれやを悟浄に被害が及ぶように肉付けしたのが、↑のss(^_^;)。
長期スランプだろうが療養中(主にアタマの中:爆)だろうが、当館(といいますか香月)のスタンスは健在です(笑)。