夜景館スタッフ日誌 即興につき苦情はご遠慮願います 忍者ブログ
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朝早く起こされ(といってももう日が昇りきっているが)、最後の抵抗とばかりに睡眠不足をアピールするような大あくびをした。
「たしか、今日出かけますよね?でも、『早く』帰ってきてくださいね」
「へ?」
濃い目に入れたコーヒーをテーブルにコトっと置きながら同居人が言った。
「あーーー、なんで?」
普段は殆どお互いの生活の根幹となるところには干渉しない。
暗黙の了解のごとくなっているそれを・・・。
よっぽど重要な何かがあったか?
そう思い、俺は首を傾げた。
「『絶対』『早く』帰ってきてくださいね」
八戒は笑顔でもう一度言った。
言う気は無いわけね。
了解了解。

「え~、もう帰っちゃうんですかぁ」
「ああ、わりぃな」
可愛い女の子たちに別れを惜しまれつつ見送られ、賭場を出る。
西の空端っこには日の姿が見える。
日が照っているという時間に少し勿体無さを感じたが。
昨日から本格的になり始めた冷気に首をすくめながら、帰途についた。

家に着く頃には、もうすっかり辺りは暗くなっていた。
秋の日はつるべ落としとは、よく言ったもんだ。
扉の向こうから騒がしい声がする。
サルがこの時間までこっちにいるのは珍しいな?
不思議に思いつつも、扉を開けた。
「おう、今帰っ『ガゥンッ』た・・・ッた!@☆$#」
俺の顔スレスレを通り抜けて、闇夜に銃弾が飛びぬけていった。
「チッ」
「おおおおおまっ!何すんだよ」
テーブルに片肘ついて座っている三蔵にテーブル越しに詰め寄る。
「サプライズだ」
お前さっき、舌打ちしなかったか?
「ごっじょう!!!」
キッチンから飛び出してきたサルの呼ぶ声と共に。
パァァァーーーン
「!!!!!」
音と共に俺は頭からカラーテープやら銀箔金箔を被った。
「なぁ、驚いた?」
まとわりつくサルを引っぺがし、この仏頂面仮面にもう一度
たずねた。
「って、本当に一体どういうことだよ」
すると、奴は珍しく口の端をニヤッとさせた。
「サプライズだ」
八戒がテーブルの上にホールケーキを置いた。
その上に乗ったプレートに書かれているのは・・・。
ああ、今日は。
「ごじょうー、誕生日おめでとー」
「おめでとうございます」
「ふんっ」
お前ら・・・俺は柄にも無く鼻の奥のがスンとなった。






激しくくっさー(ギップル)

あ、因みに
「で、これがサプライズというものですよ、悟空」
「おー、わかった」
「・・・おーい、だしか。俺の誕生日は」

と続きます。
って、あら?お祝いのはずが?(笑)

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